作者コメント
もう10年ほど前の、父がまだ元気だった頃のことです。
父は、典型的な頑固一徹の大正おとこで、その上、柔道で鳴らした体格と厳つい顔で、地域防犯の役員も務めておりました。
その父の唯一の楽しみが晩酌で、中でも、当時中学生だった孫娘が母を真似て酌をした時など、満面の笑みでまさに「とろけた顔」です(笑)、あまりの変身ぶりにいつも大笑いでした。
父が他界し、娘に酌をしてもらっている私も、きっと「とろけて」いるんでしょうね(笑)

川柳作家・渡辺美輪氏 選評
「おじいちゃん、はい、どうぞ」「おお、ありがとう」普段強面のお父さんも、かわいいお孫さんにはメロメロ。お孫さんのお酌に喜ぶおじいちゃんの句は何句もありましたが、「強面の父もとろけた」という表現が秀逸でした。

作者コメント
もう半世紀以上も昔。如何にも昭和という木造家屋には物干し台が設えてあり、そこはなかなか見晴らしの良い場所であった。我が家の物干し台。父はそこでビールを飲み、おつまみを食べ、俄かビアガーデンの至福の時を楽しんでいた。そんな父が、子供の私にはすごく羨ましく見えた。昇り来たお月様も羨ましそうに見ていた……ように思う。
とてもとても懐かしい記憶である。

川柳作家・渡辺美輪氏 選評
夏と言えばビアガーデン。夜空を見上げて飲むビールは、室内で飲むのとはまた違った味わいがあります。洗濯物のはためく物干しだって、おいしいおつまみとよく冷えたビールがあったら、立派なビアガーデンです。ほら、今夜は月がきれいに見えますよ。

作者コメント
実は、私自身ほとんど酒が飲めない体質です。
川柳で表現した孫の酌とは、私の息子のことをさしています。
私の父は、どぶろくなど自分でつくり飲むほどの酒ずきな人でした。
当時4歳の私の息子にお酌をさせて、えらくご満悦でした。
セリフはいつも「2級酒が特級の味に変わるな〜」と
赤い顔をして、喜んでいた父を思い出します・・・
そして栄えある賞に感謝申し上げます。
賞のお酒は息子に進呈します。
彼は隔世遺伝を律儀に引き継ぎ立派な酒豪になりました。
二人の子供たちに今宵もお酌をさせていることでしょう。

川柳作家・渡辺美輪氏 選評
「ねえ、おじいちゃん。わたしの注いだお酒、おいしい?」「ああ、おいしいよ」二級酒もお孫さんに注いでもらったら、それこそ吟醸にも劣らない極上の味わい。おじいちゃん、今夜は最高の酔い心地です。

作者コメント
世間ではアベノミクスとやらで好景気を実感しておられるようですが、我々庶民には一向に感じられません。外での飲み会の誘いも3回に1回はお断りして家飲みで節約、節約。これが我が家の「家飲ミクス政策」で、家計にも大変うれしい効果が出ているようです。お酒の傍には勿論伍魚福さんのエクセレントなおつまみがいつも賑わっています。
家飲み万歳! 

株式会社伍魚福 代表取締役社長 山中勧 選評
「家飲ミクス」!素晴らしい表現ですね。
日本中、いえ世界中に普及させたい政策です(笑)。
「家飲み」ならわが家の大蔵大臣(今は財務大臣?)も大満足。
おいしいおつまみと一緒に、パーっと景気良く行きましょう!


今回、入賞を惜しくも逃した作品の中から、特におもしろい、
家飲みシーンが目に浮かぶような素晴らしい作品も合わせてご紹介します!