明治生まれの祖母は酒飲みだった。たぶん若い頃から。私が子供だった昭和40〜50年代は、まだ女性が大っぴらに飲んだり、酔ったりできなかった。祖母は台所にある酒を隠れて飲んでいた。それを見つけた私は、祖母を詰ったこともある。仏壇に供えた酒が減っている。ガラスのコップに注がれた日本酒がほんの少し。おばあちゃん、飲んでもいいよ。飲みたいだけ飲んでもいいよ。

酒好きの亡父にと、仏壇に供えたお酒。ふと見ると、あれ?変だな。何だか減っているような……。きっと亡父があの世で飲み仲間と酒盛りをしているに違いない。クスッと笑えて、楽しくもせつない一句です。

父は週5日くらいアルコールを飲む。たまに母や私がお酌をしても、相変わらず無口で無表情のままである。ところが、兄家族が来て、孫が「じいちゃん、どうぞ!」とお酌をすると、突然表情がゆるみ、笑顔で飲み始める。仕事のことやあれこれと自分から話しかけ、よくしゃべり、食卓がはなやいでくる。「これが孫の力か!」とあきれる反面、私も早く結婚して子供をつくり、父にお酌をして喜ばせてやりたいと思う。

「はい、おじいちゃん、ビール!」「おお、ありがとう。どうだ、学校は楽しいか?」「うん。あのね…」普段は無口な父が、ニコニコと機嫌良くおしゃべりになる。可愛い孫のお酌で、もう一杯どうぞ。

親父から「酒は一日2合くらいまでにしといたら薬や」と言われて育ちました。若い頃は晩酌をしませんでしたが、今はワインか酒をコップ一杯ときめて、毎夕飲んでいます。おかげで大きい病気も無く、趣味に、奉仕に、皆に親しまれ、元気でガンバっています。貧しくとも長寿で健康。それが人間、何よりの幸せと考えています。

上司の顔色をうかがいながらの飲み会よりも、家で家族と気兼ねなく飲む酒はまさに薬、いや幸せそのもの。まさに「酒は百薬の長」。でもくれぐれも、飲みすぎにはご注意くださいね。

じいちゃん自慢のドブロクが醸されると、飲み仲間に招集がかかる。その酔いが回りだすと、じいちゃんの舌が滑らかになる。魚釣りの話、茸とりの話、果ては泥棒を捕まえた話など、留めどなく続く。一同ドブロクをすすりながら、その自慢話に耐えているのである。

「運動会はじいちゃん大忙しだったぞ。徒競走、リレー、障害物走、何でも来いだ。何しろ町で一番足が速かったからな…」。何度も聞いたじいちゃんの武勇伝。今夜もどぶろくと一緒に聞きましょう。

この夏も猛暑。熱中症予防に、こまめな水分補給は欠かせない。私には他にもう一つの水分補給がある。退職後もあれこれと熱中できることを見つけ、一日一日を精一杯アクティブに過ごし、自分自身に「熱中賞」を授与する。孫と話をしながら、うまい珍味のある晩酌は、明日への英気となる。

今年は酷暑という言葉がぴったりの本当に暑い日が続きました。「水分補給」という名目でビールをたくさん飲んだ方も多いはず。ビールには利尿作用があり、水分補給にならない、というお医者さんの話もありますが、お酒好きには関係ありませんね。但し、おつまみで適度な塩分補給は忘れないようにお願いします(笑)。





過去の受賞作品
・第六回 伍魚福家飲み川柳 作品

・第五回 伍魚福家飲み川柳 作品

・第四回 伍魚福家飲み川柳 作品

・第三回 伍魚福家飲み川柳 作品

・第二回 伍魚福家飲み川柳 作品

・第一回 伍魚福家飲み川柳 作品