第14回

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最優秀賞
ボランティアいい汗流す缶ビール
中澤仁捷(神奈川県 男性 91)作者コメント現役時代は商談などで外のみが多かったのですが、退職後は専ら家のみで、特に初孫のぎこちない酌で呑むのが何よりでした。「熱燗でストレス溶かす孫の酌」「置くと直ぐなみなみ注ぐ孫の酌」…そんな孫も既に二十歳を超えた大学生になり、去年、学友とボランティアで被災地の土木作業に行き、配られた缶ビールを、汗を拭き拭き呑んだ味が忘れられないと話したことを思い出して作りました。
渡辺氏講評ボランティア活動も無事に終了。作業中はああでもない、こうでもないと言い合ったり、時には意見が食い違い、険悪にもなった。でも全部片付いた今は、達成感でみんな充実したいい笑顔。いい汗かいたなあ、と輪になって飲むビールの美味いことと言ったら。ここに伍魚福のおつまみがあれば、言うことなしですね。
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優秀賞
家飲みをかしこまらせる義父が来る
なぎさ(兵庫県 女性 35)作者コメントいつもは発泡酒やプライベートブランドビールなど、安いお酒と柿ピーで毎日家飲みしているわが家ですが、義父が来る日は、特別に高いお酒と伍魚福の最高級おつまみを用意します。義父はお酒と伍魚福さんのおつまみが大好きなので、いつも喜んでくれます。家飲みで家族団らん、笑いの絶えないしあわせな毎日が続くことを願っています。伍魚福さん、これからもわが家の家飲みを支えてください。頼りにしています! おいしい伍魚福さんのおつまみはサイコーです!
渡辺氏講評家飲みのいいところは、気張らず楽しく飲めるところ。しかし、お義父さんをお迎えするとなると…。「まあまあ、そんなにかしこまらずに。気楽に、気楽に」なんて言われても、ねえ。ここはとっておきの伍魚福の珍味にご登場いただきましょうか。
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優秀賞
健診結果良くて放出備蓄酒
岸野由夏里(京都府 女性 49)作者コメントある日、妻にお酒を隠されてしまったら、愛情と思って乗り切るのが一番! いや、自分は隠したりしたつもりはないのです。今回は、自分がお酒飲めたら、こんな感じで健康診断の結果に祝杯をあげるのかな-というイメージを詠んだつもりなのです。ということで…。この度は、ありがとうございました。
渡辺氏講評去年の健康診断は、いまいち数値が良くなかった。幸い大ごとにはならなかったけど、毎年この時期はどうにも落ち着かない。今回は良い結果が出て、ほっと一息。ダイエットに励んだ甲斐があったというものね。今夜は備蓄のお酒とおつまみで、ちょっとストレス発散いたしましょう。
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灘五郷賞
手に馴染む猪口父の日の贈り物
木立慈雨(宮城県 男性 64)作者コメント「灘五郷賞」受賞とのこと、光栄に存じます。息子が帰省した折には自宅で地酒を酌み交わしていますが、息子から父の日に贈られてきているのは、実は飲食店の電子チケットなのです。夫婦で使うように、という意図かもしれませんが、たまにはプレゼントされた猪口で親子で飲むのもいいなあ、という期待を込めた川柳。事実じゃなくて申し訳ありません。
渡辺氏講評父の日に娘が贈ってくれたお猪口。旅行先で選んだのか、それともネットで見つけたのか。手に取るとしっくり馴染んで、いい重みとぬくもりを感じる。よし、今夜はこれで熱燗をいただこう。灘の酒と伍魚福と、娘の愛情をじっくりと味わう至福のひとときです。
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伍魚福賞
推しのアテ かぶる親子の DNA
松のスーパー妻(千葉県 女性 31)作者コメントお気に入りのおつまみを持ち寄っての家族飲みが恒例となっています。お酒好きの父親とおつまみが重なることがよくあるのですが、そのおつまみを12歳の娘も美味しそうに食べています。これからも3世代で楽しく家飲みを続けていきたいと思っています。
山中勧伍魚福社長選評「食は三代」。各家庭の味、食文化は自然に子や孫に受け継がれるといいます。推しのおつまみも、親から子へ、そして孫へと受け継がれることがあるはず。伍魚福もご家庭の思い出の味になれるよう、「すばらしくおいしいもの」(経営理念より)を造り続けたいと考えています。
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佳作
家飲みの キックバックは いい笑顔
健幸ママ(大阪府 女性 60) -
佳作
飲み物は持参しろよと言える仲
しまたろう(静岡県 男性 78) -
佳作
ミスターの訃報に父の手酌酒
びっぐべいびー(千葉県 男性 49) -
佳作
アルバムに見入って深い酒となる
小林康浩(大阪府 男性 68) -
佳作
安酒を呷る父の背上京す
K・F(北海道 女性 58) -
入選
すっぴんで 飲んで笑えば 福来たる
kiki(大分県 女性 43) -
入選
四姉妹 集えばいつも 大宴会
藤城美和(埼玉県 女性 51) -
入選
古稀なれど 秘蔵の酒は まだ開けぬ
原田哲也(長崎県 男性 70) -
入選
合理化の リストに俺の 酒のあて
うっしドン(愛知県 男性 63) -
入選
メモとペン 川柳発句 独り酒
三太夫(東京都 男性 83) -
入選
少しでも いいことあれば ロング缶
天和(群馬県 男性 68) -
入選
するめ置き 猫か親父か 見入る母
くりのした たけお(埼玉県 男性 62) -
入選
海老で鯛 わたしゃスルメで 大吟醸
カジ(東京都 男性 78) -
入選
独りでも 幸せいっぱい この一杯
下村えいこ(福岡県 女性 52) -
入選
適量が 毎日変わる 家ビール
ハルル(東京都 女性 70) -
入選
支給日は 少し濃い目の ハイボール
まくらだもん(和歌山県 女性 69) -
入選
我が家では 米よりおつまみ 備蓄あり
スミス(東京都 男性 50) -
入選
ほろ酔いの祖父が必ずうたう唄
徳道かづみ(東京都 女性 52) -
入選
酒のアテ むかし長嶋 いま翔平
しなやかーる(滋賀県 男性 72) -
入選
家呑みで川柳作家誕生す
大津家(兵庫県 女性 62) -
入選
寄り添って飲む金婚の夫婦酒
カンちゃん(愛媛県 男性 74) -
入選
片付けを 思うとイマイチ 酔えぬ酒
モフィス(大阪府 女性 54) -
入選
旅先で送る地酒は自分宛て
ぴちれい(大阪府 女性 55) -
入選
反論をしないと決めた大ジョッキ
田村尋(兵庫県 女性 75) -
入選
世を炙る 選挙特番 酒すすむ
むーきー(愛知県 男性 41) -
入選
古古米に からすみ乗せて 〆茶漬け
テクノボー(栃木県 男性 69) -
入選
ココだけの 話と妻が ビール出し
WWP(愛知県 男性 30) -
入選
あと五分ビールはあるか冷えてるか
中井芳樹(兵庫県 男性 72) -
入選
簡単な 酒に合う物 作れだと?
ポルテーニャ(愛知県 女性 40) -
入選
なあ友よ 苦いな酒も 人生も
馬場和義(大阪府 男性 70) -
入選
ただいまの声にお通し並べだす
野上藪蔵(熊本県 男性 68) -
入選
怖いのは 飲む妻よりも 飲ます妻
やーくん(神奈川県 男性 67) -
入選
寝静まる家で秘蔵のワイン開け
ミファ(福岡県 女性 39) -
入選
ままごとで 夫婦の家飲み 暴露され
ヒロ爺(神奈川県 男性 46) -
入選
今日来いよ 下戸でも楽し 酒の席
根岸良吉(大阪府 男性 77) -
入選
飲んでいる 横顔だけは 男前
けいすけ(福井県 女性 70) -
入選
銘柄で いつか覚えた 日本地図
あべっち(茨城県 男性 78) -
入選
二死満塁 あんたお酒が こぼれてる
つぼさんご(大阪府 男性 79) -
入選
あっしには 関わりないと 家で飲む
三郎(千葉県 男性 75) -
入選
ご近所の 悪口肴 悪酔いす
平正夫(千葉県 男性 90) -
入選
チューハイが尾ひれを付ける武勇伝
ルーキー(山梨県 男性 44) -
入選
家飲みや昭和へ戻す妻の酌
ふるさと(岡山県 男性 64) -
入選
古古古米 酒にしとけば さぞ美味を
だんべいぱぱ(三重県 男性 73) -
入選
呑みながら 食器洗えば 後が楽
渡津かずお(島根県 男性 68) -
入選
枝豆の 山崩すたび 笑い声
須藤淳(神奈川県 女性 46)


渡辺美輪氏(第14回伍魚福家飲み川柳選者、川柳専門誌「現代川柳」前編集長)総評
今年も全国各地から郵便やFAX、メールやSNSでたくさんの投句が寄せられました。集まった4371句から、悩みに悩んで選んだ入選作品です。すっかり定着したリモート飲みに、久しぶりの里帰りや同窓会。オオタニサンやタイガースの快進撃に勢いづいてジョッキを傾ける人もあれば、ミスター長嶋の訃報に打ちひしがれて飲む方もあり。家族や仲間とワイワイ飲むもよし、一人静かに飲むもよし。同じ「家飲み」がテーマでも、他人とは一味違う自分ならではの作品を。そして、なるべく今年ならではの作品を目指してくださいね。