第3回
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最優秀賞
スナックの ママより美人 5歳の娘
まさひろ(大阪府 男性 32)作者コメント独身時代は仕事終わりに必ず同僚とスナックでお酒を飲んで夜遅く家に帰っていました。そんな私も結婚し、子供が出来ました。我が子というのは想像以上に可愛くて、以前の私では考えられませんが、今では終業後急いで帰らないと、娘の寝顔しか見られないので、残業もせず、寄り道もせず、急ぎ足で家に帰っています。先日 久々に同僚とスナックに行ったのですが、家呑みのほうが可愛い娘の顔も見ることができ、楽しく美味しくお酒を飲めることに気づきました。最近娘がお酒をついでくれるようになり、親バカですが、スナックのママより娘のほうが美人で可愛く、そんな時の気持ちを表しました。
渡辺氏選評「はい、パパどうぞ」。ちっちゃな手でビールを注いでくれる5歳の娘に、パパはメロメロ。これはもう、みなさん大いに納得の一句でしょう。どんな美人ママも有名人も、AKBのセンターだって、うちの可愛い秘蔵っ子にはかないません!「ねえ、パパ。お願いがあるんだけど…」。うーん。どうやらおねだりも一枚上手?
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優秀賞
妻の酌かんしゃく玉を湿らせる
大釜洋志(徳島県 男性 -)作者コメント現役でバリバリ仕事に追われていた頃。月末の資金繰りと納期に攻められる日が度々あった。「ストレス発散」と赤提灯を覗く気にもなれず、専ら家でロダンの考える人のポーズになっていた。そして一人塞ぎ込んで飲んでいたら、何も言わずに妻からの酌に、それまでカリカリして破裂寸前のかんしゃく玉は湿ってしまって、点火しなくなっていた。
渡辺氏選評「あいつはなっとらん!。責任感ってもんがない!。だいたい今時の若いもんは…」「はいはい、どうぞ一杯」。部下のミスにカリカリしてる俺に、妻がお猪口を差し出す。「あの人も悪気があったわけじゃないでしょ?」「…まあ、そうだな。うん」ゴクリと一杯。うまい。「もう一杯、注いでくれるか?」「はい、どうぞ」。怒りも鎮まり、だんだんと落ちついていく心。「かんしゃく玉を湿らせる」とは上手い表現です。
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灘五郷賞
大吟醸 買って待つ子の 里帰り
夢見庵(神奈川県 女性 61)作者コメント600キロも離れた地へ嫁いだ娘。年に一度しか里帰りできない…。今年もその時期がやってきた。そうだ、おいしいものなら口にすることがあり、食事も進むと言っていた。それなら、と思いついたのが大吟醸。適温に冷やしておいて乾杯しようと思う。食事も話もきっと弾むことだろう。待ち遠しい。
渡辺氏選評年中忙しいと言って、なかなか帰ってこない息子から、今度の週末は帰れそうだと連絡があった。早速お迎えの準備をしなきゃ。掃除、洗濯、布団干し。あの子の好物は何だっけ?。そうそう、お酒も用意しないと。ここは奮発して大吟醸を買おう。子の里帰りをいそいそと心待ちにする母の姿が浮かんできました。
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優秀賞
孫の酌明日の活力チャージする
カトレア(大阪府 女性 63)作者コメント二歳の孫は週末になると我が家に来て、腕白ぶりを発揮します。夕食時には、私たち夫婦の間に入り込んで、見よう見まねで「はい、どうじょ」と可愛い手でお酌をしてくれます。一日中、介護や家事でバタバタして疲れた体にやさしい言葉、可愛いしぐさが心に沁み、お酒が一層美味しく感じられ、〝よし、明日も又頑張ろう!〟と力がみなぎってくる気がします。
渡辺氏選評お盆休みに、久しぶりに娘が孫を連れてきた。元気いっぱい遊んだ後は、みんなでにぎやかに夕ごはん。「おじいちゃん、ぼく注いであげる!」「おお、そうかそうか」「はい!おじいちゃん、おいしい?」「あー、うまい!。生き返るなぁ~」。かわいい孫に注いでもらったビールは格別の味。疲れた体に何よりのエネルギーチャージですね。
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伍魚福賞
とりあえず 記念日にして まず乾杯
紫ょん(東京都 女性 22)作者コメントスーパーで伍魚福さんの新商品を発見すると、それが食べたいが為に、それを口実に記念日を作り、家族を招集してワイワイ、ガヤガヤと取り留めとなく団欒を楽しんでいます。伍魚福さんが定期的に新商品を発表していただけると、その度にわが家の記念日が増え、家呑みを楽しむことが出来ると思います。
山中勧伍魚福社長選評家族や友人の誕生日という本当の記念日以外にも、うれしいことを見つけてとにかく「乾杯」。日本全国みんながそうすれば、景気ももっと良くなります(笑)。楽しい「家飲み」の乾杯に、おいしいおつまみで花を添えたいものです。
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佳作
美味しさの 秘密を握る 妻の酌
つぶ焼きイモー(北海道 男性 49) -
佳作
非常食 おつまみにして 怒られる
中山清(熊本県 男性 41) -
佳作
子が二十歳 忘れられない 家族酒
ミントパパ(鹿児島県 男性 49) -
佳作
老妻と さしつさされつ 危機回避
上原稔(東京都 男性 71) -
佳作
ワンコイン 払う気分で 家で飲む
村上定(兵庫県 男性 60) -
入選
そりゃそうだ米寿の祝いは米の酒
ヒマジン(福岡県 男性 62) -
入選
月抱きて冷酒縁側一夜干し
あーさまま(大阪府 女性 55) -
入選
日本酒を どんどん走らす 烏賊の足
池田の孝っちゃん(大阪府 男性 56) -
入選
チビチビと 父の日貰った 吟醸酒
亀井千代蔵(広島県 男性 60) -
入選
式前日 父と一緒に 日本酒を
じょん(埼玉県 女性 24) -
入選
和の膳に 先ず日本酒と 一夜干
金丸孝助(埼玉県 男性 75) -
入選
休肝日 明けは倍飲む 生真面目さ
おねりか(兵庫県 女性 39) -
入選
婚活で 趣味は家飲み とは言えず
だー(香川県 女性 34) -
入選
歩こう会 「アルコール会?」と 訊く夫
りーちゃん(神奈川県 男性 47) -
入選
お隣に「ママ」が越してき店行けず
平井知行(大阪府 男性 72) -
入選
このグラス 底が抜けてる すぐに減る
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入選
つまみだせ そんな暴君 つまみだせ!
ぴかるんママ(大阪府 女性 38) -
入選
シャンパンの あけ方知らず 電器割る
下田学(兵庫県 男性 57) -
入選
通夜の酒佛下戸でも遠慮せぬ
山本としや(兵庫県 男性 78) -
入選
家で下戸 外では酒豪と 呼ばれてる
横路雅徳(北海道 男性 78) -
入選
卒乳で ママはノンアル 卒業ね
かいぱん(兵庫県 男性 -) -
入選
乾杯で 今日もしあわせ また明日
おいも(京都府 女性 36) -
入選
「たまにはさ 一緒に飲もう」はにかんで
おんちゃん(神奈川県 女性 35) -
入選
秋の月 寄り添うグラス 影二つ
ひろちゃん(静岡県 女性 40) -
入選
ほろよいの ほどけた顔が 大好きです
楠川恵梨(東京都 女性 26) -
入選
家で飲む お金かけずに 手間かけて
たかぽこ(千葉県 女性 48) -
入選
妻監督 ビールに代打 発泡酒
りっくん(大阪府 男性 42) -
入選
招かれた 家で出会った 亡夫の酒
みどり丸(兵庫県 女性 62) -
入選
誘惑を 断って女房と 酌み交わす
春爺(静岡県 男性 72) -
入選
荒れた手の妻のお酌に感謝する
三原環(徳島県 男性 71) -
入選
ほどほどを 知って夫婦の うまい酒
上野翠(兵庫県 女性 71) -
入選
毎日を あなたと交わす この一杯
みわこ(群馬県 女性 22) -
入選
空耳か 酒に飲まるな 親父説く
栗田康子(兵庫県 女性 64) -
入選
パジャマの子 箸持ち集まる いいつまみ
ふみ(栃木県 女性 43) -
入選
思い出が つまみの今宵 親子酒
綾部保知(茨城県 男性 67) -
入選
母さんの笑顔を思い買うワイン
矩(兵庫県 男性 68) -
入選
飲める婿迎えて夫上機嫌
熊じいさん(山口県 男性 75) -
父の日に 銘酒さげて 息子来る
カズ(- 女性 84) -
入選
娘との 会話なくとも 旨い酒
スパーウーマンこけいさん(-) -
入選
内定をもらった息子が練習し
角森玲子(島根県 女性 46) -
入選
子が描いた俺の似顔絵あてに飲む
おさぼう(大阪府 男性 50) -
入選
買いますよ 自分の川柳 載ってれば
宮崎雅彦(兵庫県 男性 45) -
入選
新顔の「伍魚福」連れて里帰り
大畑弘子(兵庫県 女性 48) -
入選
帰路急ぐ 今日は伍魚福 配達日
ひよこ(東京都 女性 -) -
入選
消費税 酒の量まで スライドし
虎次郎(岡山県 男性 64) -
入選
下戸ですと 言って発動 自衛権
さごじょう(愛知県 男性 31) -
入選
女房はリケジョ燗にも温度計
紫苑(千葉県 男性 69) -
入選
増税で 家呑み円満 夫婦仲
豆助(大阪府 女性 -) -
入選
〝ありのまま〟 酔える家飲み 妻の酌
ななかまど(福島県 男性 56) -
入選
独り飲み? 実はLINEで 飲み会です
蒼井深可(福島県 女性 -) -
入選
家飲みが LINEで集い 宴会に
橋村政海(高知県 男性 -)
第3回 伍魚福家飲み川柳選者 渡辺美輪氏(川柳専門誌「現代川柳」編集長)総評
今年の応募総数は2585句。昨年より若干少なかったものの、昨年以上に粒ぞろいの力作が寄せられました。渾身の一句で挑戦された方もあれば、お一人で100句近く投句された方も。たくさんの佳句に、選をする私もたっぷり楽しませていただきました。みなさんのチャレンジ精神とユーモアセンスに拍手です。家で飲む楽しみの一番は、やはり家族と一緒に飲むこと。可愛い娘や孫、久々に帰省してくる子供たちの顔を見て味わうお酒は格別。みんなと一緒に飲んでいると、仕事の疲れやストレスも、どこかへ行ってしまいます。これでお供に伍魚福のおいしいおつまみがあれば、言うことなしですね。