第4回
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最優秀賞
該当なし
該当なし -
優秀賞
強面の 父もとろけた 孫の酌
ゴエモン(神奈川県 男性 53)作者コメントもう10年ほど前の、父がまだ元気だった頃のことです。父は、典型的な頑固一徹の大正おとこで、その上、柔道で鳴らした体格と厳つい顔で、地域防犯の役員も務めておりました。その父の唯一の楽しみが晩酌で、中でも当時中学生だった孫娘が母を真似て酌をした時など、満面の笑みでまさに「とろけた顔」です(笑)、あまりの変身ぶりにいつも大笑いでした。父が他界し、娘に酌をしてもらっている私も、きっと「とろけて」いるんでしょうね(笑)
渡辺氏選評「おじいちゃん、はい、どうぞ」「おお、ありがとう」普段強面のお父さんも、かわいいお孫さんにはメロメロ。お孫さんのお酌に喜ぶおじいちゃんの句は何句もありましたが、「強面の父もとろけた」という表現が秀逸でした。
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優秀賞
物干しのビアガーデンに昇る月
小林康浩(大阪府 男性 58)作者コメントもう半世紀以上も昔。如何にも昭和という木造家屋には物干し台が設えてあり、そこはなかなか見晴らしの良い場所であった。我が家の物干し台。父はそこでビールを飲み、おつまみを食べ、俄かビアガーデンの至福の時を楽しんでいた。そんな父が、子供の私にはすごく羨ましく見えた。昇り来たお月様も羨ましそうに見ていた…ように思う。とてもとても懐かしい記憶である。
渡辺氏選評夏と言えばビアガーデン。夜空を見上げて飲むビールは、室内で飲むのとはまた違った味わいがあります。洗濯物のはためく物干しだって、おいしいおつまみとよく冷えたビールがあったら、立派なビアガーデンです。ほら、今夜は月がきれいに見えますよ。
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灘五郷賞
二級酒を 吟醸にする 孫の酌
春爺(静岡県 男性 73)作者コメント実は、私自身ほとんど酒が飲めない体質です。川柳で表現した孫の酌とは、私の息子のことをさしています。私の父は、どぶろくなど自分でつくり飲むほどの酒ずきな人でした。当時4歳の私の息子にお酌をさせて、えらくご満悦でした。セリフはいつも「2級酒が特級の味に変わるな~」と赤い顔をして、喜んでいた父を思い出します…。そして栄えある賞に感謝申し上げます。賞のお酒は息子に進呈します。彼は隔世遺伝を律儀に引き継ぎ立派な酒豪になりました。二人の子供たちに今宵もお酌をさせていることでしょう。
渡辺氏選評「ねえ、おじいちゃん。わたしの注いだお酒、おいしい?」「ああ、おいしいよ」二級酒もお孫さんに注いでもらったら、それこそ吟醸にも劣らない極上の味わい。おじいちゃん、今夜は最高の酔い心地です。
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伍魚福賞
わが家では 家飲ミクスで 好景気
マコッチャン(兵庫県 男性 57)作者コメント世間ではアベノミクスとやらで好景気を実感しておられるようですが、我々庶民には一向に感じられません。外での飲み会の誘いも3回に1回はお断りして家飲みで節約、節約。これが我が家の「家飲ミクス政策」で、家計にも大変うれしい効果が出ているようです。お酒の傍には勿論伍魚福さんのエクセレントなおつまみがいつも賑わっています。家飲み万歳!
山中勧伍魚福社長選評「家飲ミクス」!素晴らしい表現ですね。日本中、いえ世界中に普及させたい政策です(笑)。「家飲み」ならわが家の大蔵大臣(今は財務大臣?)も大満足。おいしいおつまみと一緒に、パーっと景気良く行きましょう!
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佳作
アルバムを 肴に今宵 妻と酌む
梶政幸(千葉県 男性 50) -
佳作
老妻と 飲む酒も良し うさぎ小屋
福間志津子(青森県 女性 64) -
佳作
ママ今日は 飲んでいいよと 五歳の子
七星山河(大分県 女性 27) -
佳作
家族酒 婿が息子に なってゆく
KKブルー(栃木県 女性 52) -
佳作
百歳へ古希の息子が酒を注ぐ
笑爺(神奈川県 男性 69) -
入選
家飲みで 「いいね!」が貯まる 貯金箱
ほほえみ(大阪府 女性 40) -
入選
騒げない 酒飲めるのは 自分だけ
牧英市(愛知県 男性 73) -
入選
朝起きて かけてある毛布 妻の愛
サリー(神奈川県 女性 31) -
入選
支払いを 先に済ませた 安堵感
島田健太郎(兵庫県 男性 67) -
入選
卒乳だ! 2年も待った この一杯
渡部佐智子(神奈川県 女性 47) -
入選
家飲みの 友とLINEで つなぎ飲む
まこっちゃん(東京都 男性 68) -
入選
晩酌を 2合と決める 自衛権
逸之助(東京都 男性 68) -
入選
乗せられて 妻へと作る 酒のあて
長峯雄平(東京都 男性 35) -
入選
「酒あかん!」 主治医晩酌 欠かさない
中村利之(大阪府 男性 71) -
入選
魚拓取り すぐに刺身に して飲んで
中山清(熊本県 男性 42) -
入選
家飲みも まんざらでない 妻の留守
中原修(大阪府 男性 51) -
入選
壁にドン 倒れたオレを 妻介抱
ピコタン(広島県 女性 59) -
入選
家の中 部屋変え酒変え はしご気分
ゆずっち(兵庫県 女性 42) -
入選
夫下戸 こっそり隠れて 大吟醸
古賀厚子(福岡県 女性 57) -
入選
あと八年 息子が二十歳に なる日待つ
ひつじ堂(埼玉県 男性 41) -
入選
休肝日 つまみを下げて 友が来る
寝太郎(大阪府 男性 67) -
入選
球児らの代わりに祝杯続く夏
はるぴん(長崎県 女性 36) -
入選
バレンタイン 娘がくれた 義理猪口を
口笛太郎(愛知県 男性 51) -
入選
持ち寄った つまみのセンス 競い合う
林健一(千葉県 男性 46) -
入選
家飲みで まずは自分に 「おもてなし」
ササ(東京都 男性 47) -
入選
父送り父のグラスに注ぐ酒
望月しほり(兵庫県 女性 50) -
入選
娘婿 いたらぬ娘 詫びて注ぐ
佐伯弘矩(兵庫県 男性 69) -
入選
酒が強い 家族以外は 皆褒め
いしざわこーど(茨城県 男性 69) -
入選
部下よ見よ これがホントの オレの顔
中年やまめ(神奈川県 男性 68) -
入選
父の日や ツマミ手土産 婿きたる
栗田康子(兵庫県 女性 66) -
入選
パパ見てね 今夜の肴 通知表
かきくけ子(岐阜県 男性 64) -
入選
賞の中 ”最多投稿” ないですか?
宮崎雅彦(兵庫県 男性 46) -
入選
仏壇の酒をそろそろ飲みましょう
与太郎。(京都府 男性 68) -
入選
酔ってても ぶつけて痛い 足の指
丸中雅恵(東京都 女性 43) -
入選
野球見て 父も延長 決める酒
汐海岬(東京都 女性 -) -
入選
まあまあと妻に酌する宥め酒
十六夜(神奈川 女性 56歳) -
入選
七人の 敵も忘れて 妻の酌
宇野邦久(福島県 男性 57) -
入選
家飲みを 決心させた 孫の笑み
おーさん(新潟県 男性 66) -
入選
外のみで 夫居ぬ日は 高級珍味
みいくろ(熊本県 女性 54) -
入選
泡9割 笑って許せる 孫の酌
赤岡麻衣子(北海道 女性 31) -
入選
当てばかり食べるな妻よ高いんだ
石川憲政(兵庫県 男性 73) -
入選
両親に 自分が呑みたい 酒贈る
こべっこ(東京都 女性 33) -
入選
孫の酌 チップは高級 クラブ並
星野修志(群馬県 男性 65) -
入選
孫帰省妻が叱らぬあと一本
西垣力徳(兵庫県 男性 57) -
入選
鬼嫁が 吟醸酒出す 子の帰省
清詩薫(三重県 男性 62) -
入選
酔ったって 妻には出来ぬ 無礼講
さごじょう(愛知県 男性 32) -
入選
妖怪の せいにしている 三本目
小松真人(大阪府 男性 33) -
入選
家計簿に 伍魚福欄が あるわが家
のんびり屋 (福井県 女性 -) -
入選
これどこの?! 捜した伍魚福 地元やん!!
PN.miyu37(兵庫県 女性 27) -
入選
綺麗だよ 酔うほど飲むな 妻怒る
三原茂雄(徳島県 男性 72) -
入選
初サラリー値札が付いた子のボトル
そら(大阪府 女性 65) -
入選
烏賊や海苔 ついには話題も 炙るキミ
だいちゃんZ!(大阪府 男性 -) -
入選
盆休み 孫の笑顔に 酒すすみ
堀田貞子(奈良県 女性 58) -
入選
自分への ご褒美今日も プレミアム
松浦伸(兵庫県 男性 51) -
入選
お父さん 何回聞いても 「3杯目」
野中りつ子(兵庫県 女性 45) -
入選
お帰りの 笑顔で晩酌 家バルだ
谷口けい子(広島県 女性 63) -
入選
家飲みで 金土日は 酔曜日
嵐山(千葉県 男性 55) -
入選
大吟醸 下戸の妻まで ちょっと飲み
楽星(兵庫県 男性 77) -
入選
妻に似た 嫁にてこずる 婿と飲み
井田あさみ(滋賀県 女性 62) -
入選
一人飲み 自撮り済んだら あぐらかき
岩舘明子(岩手県 女性 52) -
入選
コトコトとわたしを煮込む妻の鍋
くもがくれ(埼玉県 男性 66)
第4回 伍魚福家飲み川柳選者 渡辺美輪氏(川柳専門誌「現代川柳」編集長)総評
今年の家飲み川柳は2283句の投句がありました。たくさんの投句ありがとうございました。相次ぐ値上げが庶民の家計を直撃。サラリーマンのみなさんも、節約のために飲み屋に行かずに家で飲む率も高くなっているようです。夫婦二人で飲むお酒、親子でしみじみ飲むお酒、お孫さんたちも一緒に賑やかに飲むお酒…。一方、一人寂しく飲んだり、つきあってくれるのはペットのワンちゃんだけ、なんて人も。いろいろな家飲みの風景があって、楽しく読ませていただきました。おいしい伍魚福のおつまみで、今夜も乾杯。